ブログというか、まぁ思いついたものを書いています。 ショートアニメを作っています。元舞台役者です。
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古典落語にこんな演目があります。地方をバカにしていると誤解されるかもしれませんので、最近はあまり高座にかけられることが少ないそうですが面白い内容です。
ある村で急病が出て、山奥の医者が呼ばれる。ところが医者は途中で大蛇に呑まれてしまう。医者は機転を利かし、大蛇のお腹に腹下しの薬をまいて無事脱出。患者の所に駆けつけるというお話しです。
私の住んでいる所も大概の田舎ですが、近所に名医を発見しました。
父、生前の折、父は白内障となり、右も左も0.3以下の視力となってしまいました。あわてて近所の総合病院で白内障の手術を受けたのですが、素晴らしい手術を受けたらしく、術後、右1.7、左1.8というすごい視力になりました。
私はすっかり感心してしまい執刀医に
「先生、名医ですね」と褒めると
「必要な処置をしたまでです」と謙虚。ああ、これぞ名医。
私は生まれつき、目が良くありません。近所にこんな名医がいるのなら、主治医になってもらえると心強い。その旨、先生に伝えますと。
「すみません。私、来月からA病院(都会の病院)に移動することになってまして・・・」
引き抜かれたんですね。
昔の田舎の名医は大蛇に呑まれても帰ってきましたが、現代の田舎の名医は都会に呑まれて帰ってきません。
English
イラスト by saki
2000年代のこと、色々あって、ビッグバンドと呼ばれる30人ぐらいの編成のミュージシャンの演奏をバックにソロで一曲だけ歌うことになりました。
私は役者の経験こそありますが、音楽はど素人で、本番当日の緊張は今までに経験したことのないものでした。
楽屋に知り合いは一人もおらず、震えそうに不安に感じておりますと、一人のミュージシャンが2Lペットボトルで透明の飲み物を飲んでいました。ペットボトルのラベルははがしてあり、マジックで大きく「水」と書いてあしました。奇妙なことをするなぁ、と思いましたが、話のきっかけにこう声をかけました。
「わざわざ『水』と書いてあるということは、音楽業界には水と間違えそうな透明な液体があるんですね?」
そのミュージシャンは笑顔で
「そうです! 飲みますか?」
緊張でのどがカラカラでした。お言葉に甘えて、疑うことなく一気に頂きました。
焼酎でした。
演奏前にお酒を飲んでいると叱られるので、ペットボトルに移し替えてわざわざ「水」と書いて飲んでいたんですね。
私はお酒が飲めません。真っ赤になって、フラフラになりました。フラフラの状態でビッグバンドの前で一曲歌いました。あまり記憶がありません。意外と好評でした。まぁ、緊張は解けましたかねぇ?
皆様は今宵も「ミュージシャンの水」をお楽しみください。私はもう飲みませんよ!
English
イラストby studiostoks
1980年代。学生だった私はバイトの面接に行きました。面接官は複数いて、面接官の一人は偶然、親の古い友達でした。向こうは私に気づいていないようでしたが、素知らぬ顔をするのも感じが悪いので、面接の途中「〇〇の息子です」と話しました。すると向こうは昔のコントのようにずっこけていました。オーバーな人だなぁと思っていましたが、そうではありませんね。
バイトの面接官になっても不思議のない年になりました。その面接に友達の子どもが面接に来てもおかしくない年になりました。でも、実際に来たら昔のコントのようにずっこけるんでしょうね。人の子どもは突然大きくなります。
当時の私は、面接の席で、よせばいいのに、伝え聞いたその人の若い頃の武勇伝などを他の面接官に披露してしまいました。
悪夢ですね。私は絶対にバイトの面接官にはならないぞ。
English
イラスト by maimu
1988年。当時ロードレースタイプの自転車に凝っていた私は、転んで病院に運ばれました。
頭を打っていたので、MRIの検査を受けました。生まれて初めてのことです。なんだか録音スタジオのようで、金魚鉢の向こうで医者が操作し、私はかまぼこ板のようなモノに乗せられて、巨大な機械の中に入れられました。
ところが、この検査がなかなか終わりません。ふと金魚鉢の中を見ると、さっきまで1人しかいなかった医者が3人になっていて、難しい顔で議論しています。あれ? そんなに重症なのかな? 不安な気持ちで待っていましたが、全然検査が終わりません。もう一度金魚鉢を見ると、今度は6人の医者が大議論の真っ最中。時々声が漏れてきます。
「私たちではどうしようもない…」
ああ! 死ぬんだ。その病院はかなり大きな総合病院。そこの医者が6人集まって「どうしようもない」のでは仕方がありません。この時まだ18歳。短い人生だった。泣きながら残酷な運命が告げられるのを待ちました。
しばらくして医者の一人が金魚鉢から出てきました。
「すみません。機械が壊れたので、もう少し待っていてください」
ああ! MRIの機械が壊れたのか。それは医者が何人集まっても「どうしようもない」ですね。
1週間ほどで退院しました。
English
写真 by Zinkevych