ブログというか、まぁ思いついたものを書いています。 ショートアニメを作っています。元舞台役者です。
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1988年。当時ロードレースタイプの自転車に凝っていた私は、転んで病院に運ばれました。
頭を打っていたので、MRIの検査を受けました。生まれて初めてのことです。なんだか録音スタジオのようで、金魚鉢の向こうで医者が操作し、私はかまぼこ板のようなモノに乗せられて、巨大な機械の中に入れられました。
ところが、この検査がなかなか終わりません。ふと金魚鉢の中を見ると、さっきまで1人しかいなかった医者が3人になっていて、難しい顔で議論しています。あれ? そんなに重症なのかな? 不安な気持ちで待っていましたが、全然検査が終わりません。もう一度金魚鉢を見ると、今度は6人の医者が大議論の真っ最中。時々声が漏れてきます。
「私たちではどうしようもない…」
ああ! 死ぬんだ。その病院はかなり大きな総合病院。そこの医者が6人集まって「どうしようもない」のでは仕方がありません。この時まだ18歳。短い人生だった。泣きながら残酷な運命が告げられるのを待ちました。
しばらくして医者の一人が金魚鉢から出てきました。
「すみません。機械が壊れたので、もう少し待っていてください」
ああ! MRIの機械が壊れたのか。それは医者が何人集まっても「どうしようもない」ですね。
1週間ほどで退院しました。
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写真 by Zinkevych