ブログというか、まぁ思いついたものを書いています。 ショートアニメを作っています。元舞台役者です。
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2000年代のこと、色々あって、ビッグバンドと呼ばれる30人ぐらいの編成のミュージシャンの演奏をバックにソロで一曲だけ歌うことになりました。
私は役者の経験こそありますが、音楽はど素人で、本番当日の緊張は今までに経験したことのないものでした。
楽屋に知り合いは一人もおらず、震えそうに不安に感じておりますと、一人のミュージシャンが2Lペットボトルで透明の飲み物を飲んでいました。ペットボトルのラベルははがしてあり、マジックで大きく「水」と書いてあしました。奇妙なことをするなぁ、と思いましたが、話のきっかけにこう声をかけました。
「わざわざ『水』と書いてあるということは、音楽業界には水と間違えそうな透明な液体があるんですね?」
そのミュージシャンは笑顔で
「そうです! 飲みますか?」
緊張でのどがカラカラでした。お言葉に甘えて、疑うことなく一気に頂きました。
焼酎でした。
演奏前にお酒を飲んでいると叱られるので、ペットボトルに移し替えてわざわざ「水」と書いて飲んでいたんですね。
私はお酒が飲めません。真っ赤になって、フラフラになりました。フラフラの状態でビッグバンドの前で一曲歌いました。あまり記憶がありません。意外と好評でした。まぁ、緊張は解けましたかねぇ?
皆様は今宵も「ミュージシャンの水」をお楽しみください。私はもう飲みませんよ!
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イラストby studiostoks