ブログというか、まぁ思いついたものを書いています。 ショートアニメを作っています。元舞台役者です。
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美容関係の会社のイベントに役者として出演したことがあります。ディレクターの意向で、役者は全て、顔が完全に隠れる仮面をつけての出演でした。
イベントが始まるまでの時間、会場には、フランスの名ピアニスト、リチャード・クレーダーマンのCDを流しておこうという事になりました。舞台の上にはグランドピアノがありました。ディレクターが思いつきで、「君、ピアノの前で、ピアノを弾いているフリをしていてよ」と私に言いました。
私はピアノを弾けませんが、役者ですからね。さも、弾いているような演技は出来るんですよ。会場にはご馳走も用意してありました。美容業界は景気がよかったのです。開場して、しばらく演技を続けていると、数人のお客さんが、ご馳走を無視して、私を見つめているのに気付きました。ひそひそとささやき合っているのです。
「あの人、うまい!」
客席からは私の手元は見えないようになっていたのです。私が本当にピアノを弾いていると勘違いしてしまったんですね。実際はピアノには触ってもいません。
上手いはずですよ、音を鳴らしているのは、リチャード・クレーダーマン本人ですからね。大変な勘違いをしているようなのです。リチャード・クレーダーマンと同等の演奏が出来る人が、こんな地方の小さなイベントで、仮面をつけてピアノを弾いているなんて! 彼女たちは、私の仮面の下に、悲劇の天才ピアニストの素顔を想像していたのかも知れません。
そのプレッシャーに耐えられなくなりました。騒ぎが大きくなったりしたら、イベントそのものに影響しかねません。
ディレクターの指示に反しますが、私は、わざと演技をずらして「私は弾いていませんよ!」というアピールをしました。
「なぁんだ」
という声が返ってきました。人だかりはご馳走の方へ行きました。役者として、お客さんの後ろ姿を見るのはつらかったですが、ご馳走の方は本物です。
イベントの後、ディレクターには「やっぱり、バレちゃいました」と報告しました。彼も「だろうな」と笑っていました。
役者はお客さんに、そういう勘違いをさせてはいけないのです。
English
イラスト by grandfailure
認知症の母と同居して14年ほどの事。
ある日、母は体調をくずし、入院することになりました。入院すると同時に、認知症の症状も進み、私と愛妻だけで同居介護をするのは、もう無理だと結論に至りました。適切な施設を探すのも、手続きをするのも大変な仕事でした。
とはいえ、ゆったりとした日々が始まりました。同居している間は、朝から大忙しでした。着替えやトイレ、朝食の介助。デイサービスの準備など、やることがたくさんあったのです。母に施設に入ってもらってからは、のんびりとする時間ができるようになりました。
その日は、夫婦そろって、二度寝の朝寝坊を楽しんでいました。すると、家の電話が鳴りました。ご近所さんからでした。
「お宅のゴミが大変なことになっていますよ!」
見ると、カラス数羽が、我が家のゴミ袋を破って、中の残飯をあさっているのです。ゴミは道いっぱいに広がっています。今までこんな事なかったのに!
母を施設に入れたことが原因だったようです。
これまで、ゴミの日には母のオムツを一緒に出していたのです。我が家のゴミからは、大型雑食獣の糞尿のにおいがしたのです。それは、素晴らしいカラスよけになっていてくれたのですね。母と別居したからには、我が家のゴミ袋からは美味しい残飯のにおいしかしません。カラスも大喜びです。カラスよけのネットも使っていたのですが、その使用期限はとっくに過ぎていたのです。
認知症になってからの母は、完全に我が家のお荷物で、何一つ役に立っていないと、私は思い込んでいました。しかし、人間には思いがけない役の立ち方というのがあるものです。
離れて住んでみて、親のありがたみがわかりますね。
English
イラスト by visekart
クラッシック・コンサートなどでは、演奏が終わり、出演者が去った後も拍手が鳴り止まず、出演者が再登場という事があります。演劇の世界では、これをダブルコールというそうです。
私が関わったような小劇場の演劇では、ダブルコールは、ほとんどなく、出演者が去って、観客が拍手を終えれば、もう公演はおしまいです。出演者がダブルコールに備えて、準備をするということは、まずありません。ただ一度だけ、ダブルコールの現場に役者として、居合わせたことがあります。
その日は出演者もスタッフもみんな調子が良かったのです。観客のノリも良く、大きなミスもなく、劇場が一体になったような最高の公演でした。
私達のようなマイナーな演劇公演では「客出し」という習慣があります。出演者が劇場のロビーで、お帰りになるお客様を見送るのです。その時、見に来てくれた友達や家族にお礼が言えます。知らないお客さんに褒められたりすることもあります。
その日は最高の公演でしたからね。私は早くお客様達に、お礼が言いたくて、ロビーに走って行きました。ロビーにはすでに、その公演の演出家がいました。私達は何も言葉を交わしませんでしたが、笑顔でアイコンタクトしました。今夜の公演は最高だったとお互いわかっていたのです。こういう時、言葉は要りませんね。
演出家と並んで、お客さんが出てくるのを待っていました。最高の瞬間でした。
しかし、お客さんが出てこないのです。ありえないくらい長い時間、私と演出家で、お客さんを待っていました。「どうなっているのだ?」待ちきれず、客席のドアを開けて中をのぞいてみました。
中は、割れんばかりの拍手の渦。私以外の出演者達が、舞台の上で、それに応えているのです。
ダブルコールだ!
自然発生的にダブルコールが生まれたのです。そんなことがあろうとは! 慌てて、舞台に戻ろうとしましたが、もうダブルコールは終わるところでした。私はダブルコールを逃した唯一の出演者でした。こうして、私は、おそらく、生涯のうちで、ダブルコールを受ける唯一のチャンスを逃したのです。
あわてる役者はもらいが少ない。
English
イラスト by mounel
母に認知症の診断がおりた頃、近所の写真店を経営する夫婦と認知症の事で話したことがあります。その夫婦も認知症の親を抱えていたのです。
ある日、夫婦が満面の笑顔で私に言いました。
「やっと特養に入れることになったんですよ!」
実はこの頃、私はまだ母の介護をはじめたばかりで、この言葉と満面の笑顔の意味がわかりませんでした。親を施設に入れるのに、何を喜んでいるのだろうとか思っていました。
十数年の同居介護を経て、私も、母を施設に入れる決断をしました。下の世話も始まっていて、つらかったです。認知症患者は24時間年中無休の世話を要求します。私は眠る時間さえ確保できず、死ぬほど忙しかったです。認知症患者は事故を起こしたり、巻き込まれたり、転んだりします。私は常に重い責任を背負っていました。しかし、ついにここまで、無事たどり着いたのです。母を施設に入れた日から、生活は一変しました。つまり、何のハンディもない、普通の暮らしに戻ったのです。それは素晴らしいことでした。この喜びを満面の笑顔で誰かに伝えたいと思いました。
でも、やめました。この喜びは、本当に介護で苦労した人にしかわからないのです。私がどんなに嬉しくても、客観的には親が病気で衰弱したのです。家族と別れて住むことになったのです。在宅介護をあきらめたのです。満面の笑顔で表現すべき事ではないのかもしれません。表現された方も、「おめでとう」とは言いにくい状況です。
介護のゴールは入所か、入院か、葬式です。つらく長い道の果てに、誰もが手放しで喜んでくれるという結果は待っていません。
これが介護のつらいところですね。
English
イラスト by koti
今回、我々が使用したのは「たくのむ」というサービスです。アプリ不要、アカウント登録不要でお手軽、無料のこのサービス。果たして半世紀生きた我々は使いこなせるか?
お弁当は各自、好みの弁当を買い、時間を合わせて、いざオンライン!
結論から申し上げますと、決して上手くはいきませんでした。赤い彗星のシュウと、もう少しやせたい直樹は問題なく話せましたが、マクドガルは一時間ほどで静止画となり、音声のみの参加となりました。アル中キミちゃんに至っては、「たくのむ」にたどり着くことさえできませんでした。アクセスしようとすると、OSのアップデートを要求され、そのためのバックアップをしろと言われました。バックアップを始めると、20分かかると表示され、10分後見ると、後25分かかると言われ、30分後には後35分かかるとスマホに翻弄されました。腹ぺこで待つのも限界に達し、ついにあきらめて一人でお弁当を食べたそうです。かわいそうに。でも弁当の評価だけはしてもらいました。
評価は、星5つの五段階制です。
以下、星の高かった順。
アル中キミちゃん
とりあえず今日のお弁当
Bonne Femmeボンファムというカフェのテイクアウト弁当。
ロコモコ弁当¥580
ぷりぷり海老のミルフィーユサラダ¥380
税別。
見た目綺麗で美味しい。値段も良心的です。
ご飯がアル公にはやや少量という点だけちょっぴりマイナスポイントにして…
星⭐4.5個で‼
まくどがる
今回、僕が買ってきた弁当は、大須商店街の中にあるスーパー、「サノヤ」さんの「焼きそば弁当」です。大きな唐揚げと焼きそば、付け合わせのきんぴら、漬物に大盛級のご飯で、価格が250円というコスパの高さで、僕のお気に入りです。ボリュームある唐揚げと焼きそば、ご飯でお腹いっぱいです。
星4つ。
余談ですが、途中で画面がおかしくなったのは僕の通信環境のせいだった様です。データ容量切れで低速モードになってましたm(_ _)m 次はもうちょいと考えます。ではまた
もう少しやせたい直樹
お弁当はスーパーの平和堂で買った「三重県産の真鯛とブリ入り得盛にぎり」、税抜き598円。
名称がちょっと大げさな気もしますがお値段の割りに量・質ともに充分です。星4つ。
赤い彗星のシュウ
居酒屋のピンチを救え! お酒を飲まない私ですが居酒屋「千年の宴 鳴海駅前店」が特別に出している、からあげ弁当を購入しました。昼間、お店に入ると、店員さんが「お待ちいただければ、揚げたてをご用意します」と笑顔。食べるのは夜なんだけど、申し訳なくて言えなかった。450円。
ご飯の上に、からあげを乗せて、タレをかけ、漬け物を添えただけの、大変、男らしい弁当となっております。お弁当にはお弁当のノウハウがあるからね。難しい物です。愛を込めて・・・
星3つ
図らずも、今回で、我々のデジタル格差と、お弁当格差が明らかになりました。アル中キミちゃんのお弁当と、赤い彗星のシュウのお弁当のビジュアルの差はなんとしたことか? 大体のところ、デジタルに弱い人ほど、美味しい物を食べていますね。
次回、我々はベントー4として現れるか? ファミレシアン4として現れるか? 全ては我々の通信環境とOSのアップデートと、コロナの状況にかかっている!
がんばれベントー4! がんばれファミレシアン4! がんばれ世界!(大きな言葉で励ましました!)
次は君の町のファミレスか弁当店にいくかもよ?