ブログというか、まぁ思いついたものを書いています。 ショートアニメを作っています。元舞台役者です。
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
1990年代のはじめ頃、私の知った人で、腕利きのセールスウーマンがいました。歩合制で給料が増える賃金形態で、月に200万円ほどもらっていたそうです。バブルの頃としてもすごいですね。私と言えば、当時時給580円でバイトしていました。そして、一等賞金30万円の戯曲賞に応募して、落ち続けていた頃です。
彼女は何を売っていたかというと、子供用の学習教材です。ワンセット30万円。これを飛び込みの各戸訪問で、子どものいる主婦に売って歩いていたのだそうです。
そんな高い教材が、どうして売れるのか不思議ですね。
どうやって売るのか、少しだけコツを教えてもらいました。
いくら子どもの教育のためといっても、ワンセット30万は高いです。ほとんどの奥様はためらって、こうおっしゃるそうです。
「主人と相談させて下さい」
そこで使うテクニック。玄関にゴルフセットがあったら、こう言うのだそうです。
「このゴルフセット、ステキですね。ご主人はお買いになる時、奥様に相談されましたか?」
ここで奥様のスイッチが入ります。
「買った!」
男性にしても、女性にしても、高価な物を購入する時は、パートナーに相談しなくてはいけませんね。
English
イラスト by トラノスケ
私の祖父母は旅行が好きで、よく2人で出かけていたようです。ところが祖母は祖父の旅先での振る舞いで、疑問に思うことがあったそうです。祖母としては、せっかく旅行に出たのだから、その土地の旬の御馳走を食べたい。ところが祖父はたこ焼きや、焼きそば、お好み焼きなど、いつでも、どこでも、食べられるようなものばかり喜んで食べるのです。何故だか疑問に思っていたそうです。でも、それらは祖父にとってはいつでも食べられるものではなかったのです。
祖父は、とある名のある神社の宮司でした。宮司というのは祭りの時はずっと神社にいるのに、屋台の食べ物は食べられないのだそうです。冷たい仕出し弁当を食べるのです。神社によって違うのでしょうが、神職さん達が焼きそばや、焼きトウモロコシをむさぼっている姿を見ると、ガッカリなさる方もいるんでしょうね。隠れて食べるにしても、どの店から買うか、とか色々難しい問題があるそうです。たまらないのは祖父です。祈祷したり、白馬に乗ったり、祭りの中心にいる宮司ですが、常に屋台のにおいがします。そしてその美味しそうなにおいのモノを何一つ食べられないのです。気の毒に。
ですから、祖父は旅に出ると、日頃食べられない屋台ものを喜んで食べるのです。旅先では祖父が神職だということを、誰も知りません。思う存分、たこ焼き、焼きそば、焼きトウモロコシ、お好み焼き、焼き鳥、何でも食べ放題です。
私達は地位の高い人をうらやましく思いますが、思いの外、窮屈なのかも知れませんね。食べたいときに食べたいものを食べられる身分。これに勝るモノはないのかもしれません。
イラスト by そば
私の父は地元新聞社に勤めていました。記事に間違いがないかチェックする校閲です。昼間、記者さん達が記事を書いてから、輪転機が回りだすまでが勤務時間となります。具体的にいうと出社時間は午後3時。それから深夜まで働いて、明け方帰ってきて床につきます。
ですから、日中は趣味の陶芸をやったり、庭に水をまいたりのんびりしていました。
ところが、この勤務形態。近所の人には誤解されていました。
「お父さん、あんなふうで・・・」
父は無職だと思われていたのです! まぁ平日の昼間から、寝ぼけた顔して、庭の手入れしていたんですからね。母は自宅で学習塾を開きながら、各地で講演をするという、まぁ目立つ仕事をしていたんですね。実際は我が家は共働きなんですが、近所の人は父が無職なので、しかたなく母が稼いでいるのだと思われていたようです。
私たちが朝起きて、すぐに新聞が読めるのは、父のように夜中に新聞を作ってくれている人たちのおかげです。でも彼らは、近所の人には無職だと思われているのかも知れません。
夜中に働くすべての人たちに栄光あれ!
English
イラスト by BNP