ブログというか、まぁ思いついたものを書いています。 ショートアニメを作っています。元舞台役者です。
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2007年、母と大叔母がアルツハイマー型認知症と診断されました。私は母とは同居しており、大叔母は電車で1時間半離れた所で一人暮らしをしておりました。
私は自宅で母の介護をしながら、週に一度、大叔母の家にも行って、世話をしていました。
初期の認知症患者は、同じ話を繰り返しします。大叔母にはあまりありませんでしたが、母にはその症状が見られ、私は同じ話をうんざりするほど聞かされました。自分が話したことを忘れてしまって、また話してしまうんですね。
その頃は、大叔母も我が家に電話する能力が残っていて、私が世話をしに行った後に、母に電話をしてお礼を言っていたらしいです。
電話は何度も何度もかかったのかも知れません。その電話を受ける母も認知症ですから、何度も何度も受けたんでしょうね。
ある日、私が大叔母の家から帰宅すると母は、大叔母からお礼の電話があったと私に伝えてくれました。しばらくすると、母は同じ事を言って私を褒めました。
アルツハイマー病のいいところですね。何かいいことをすると、何度も何度も褒めてくれるし、何度も何度も感謝してくれるのです。褒められて悪い気のする人はいません。
認知症介護者は、つらい仕事をしているのに、褒められる機会が少ないです。母と大叔母が私に何度も感謝してくれたのは短い期間でしたが、それくらいの役得はあっていいですね。
English
イラスト by studiolaut
私がタバコを吸うようになったきっかけは、演劇でした。芝居でタバコを吸う役をもらったのです。練習して吸えるようになりました。そのまま、やめられなくなりました。ニコチン中毒です。
母は私がタバコを吸うのを嫌っていました。何度も叱られました。親に叱られたくらいでやめられるなら、それは中毒ではありません。
でも、私は母に気を使って、母の前ではタバコを吸わないようにしていました。目の前で吸わないのであれば、母も黙認してくれていたようです。
2007年、母はアルツハイマー型認知症と診断されました。私は同居していましたが、続けて、母の前ではタバコは吸わないようにしていました。
6年後の2013年頃のことです。母と長時間一緒に過ごさなくてはいけない状況があって、席も外せませんでした。吸わない人にはわからないでしょうが、ニコチン中毒の人は、長時間吸えないと本当に辛くなるのです。この頃には、すでに、母は私が誰だか分からない時もありましたので、屋外でしたし、おそるおそる聞いてみました。
「タバコ吸っていいですか?」
母はにっこり笑って
「どうぞ、どうぞ」
と許してくれたのです。
自分の息子がタバコを吸うのは許せませんが、知らない人がタバコを吸うのはどうでもいいんですね。
親が認知症になるのも、ニコチン中毒になるのも、最低の体験ですが、いいことも探せます。母が認知症になったおかげで、私は堂々と、親の前でタバコを吸うことが出来るようになりました。
みなさんはタバコを吸わないでください。身体に悪いですよ。
イラスト by bino
Twitterにこんなつぶやきがありました。「新社会人の頃、先輩から『腕時計だけは高価な物を身につけていろ』と言われて、無理して高い腕時計を買ったけど、何もいいことなかった」というのです。このアドバイスに悪気はないのだと思います。
人をみるときに、時計でみる時代はあったんでしょうね。高価な腕時計しか正確に時を刻まない時代があったのです。
私が子どもの頃、私が最初に任された家事は、毎日、家中の時計のねじを巻いて、時間を合わせることでした。当時の時計はゼンマイ時計でした。毎日、数分ずれていました。その頃はNHKの7時や9時のニュースの前にはテレビに時計が大写しになって、正確な時間を教えてくれた物です。
その時代、高級な腕時計をしているということは、「時間を大切にしています」というアピールになったのですね。安い腕時計は時間がずれやすかったのでしょう。
クオーツショックと呼ばれる時計業界の大きな変化があって、安い時計でも、正確な時間を刻むようになりました。そうなると、高い時計をしていることに、あまり意味はなくなってしまったんですね。
私が学生の頃、「クツとカバンはいい物を身につけろ」と言われていましたが、今はどうなっているんでしょうかね? 最近は、お値打ちなクツやカバンもしっかりしています。
こういうアドバイスは時代によって変わりますね。私も若い人に時代遅れのアドバイスをしないように気をつけないといけません。そもそも今時の若者の多くは腕時計をしていません。
私に出来るアドバイスがあるとしたら「身につけている物で、その人の事がそんなにわかるなら、そんな楽な話はない」です。
English
イラスト by えすあいえふ
前回の予言者の会では今年の流行語を予言しました。見事、アル中キミちゃんの予言通り、今年の年間大賞は「3密」でした。アル中キミちゃんには予言者の称号が贈られます。これでアル中キミちゃん予言者はまくどがると並んでトップとなりました。
さて今回の予言者の会は、これも恒例、今年の漢字を予言します。
以下、予言的中回数の多い順。
まくどがる(予言的中回数7回)
「病」でお願いします。
アル中キミちゃん予言者(予言的中回数7回)
「禍」かな。
赤い彗星のシュウ(予言的中回数6回)
「疫」で勝負!
もう少しやせたい直樹(予言的中回数3回)
「密」で♪
もちろん、我々は全ての漢字を応援しています。また、これはあくまでも予言であって、賭け事ではありません。予言を的中させても、もらえるのは予言者の称号のみ。さらに、我々は日本漢字能力検定協会からいかなる贈与・饗応も受けておりません。
発表は例年12月12日。
次の予言者はキミだ!
イラスト by bellflowr
母がアルツハイマー型認知症になって、要支援認定が出た時のことです。その頃には、ずっと私が家の掃除をしていたのですが、これからは週に一回、ヘルパーさんが掃除に来てくれるようになりました。
今は知りませんが、当時の介護保険というのは身体介護に重点を置いて作られていたので、認知症の介護に関しては、決して手厚い支援は得られませんでした。こちらは24時間対応を強いられているという時に、週に一度掃除しに人が来るというだけの支援ではどうにもなりません。
北欧等の福祉先進国では、親族介護者に給料が出たりするそうです。親族介護者が限界を感じたときに、緊急に介護者が利用できるスパのチケットがもらえたりするそうです。福祉国家の税金は高いそうですが、うらやましい話ですね。
週一度の掃除でも、何もないよりはましでした。少なくとも、母の行動する範囲の掃除はヘルパーさんに任せることができたのです。
ところが、ヘルパーさんの掃除の仕方は、私とは違うのです。相手はプロですから、ヘルパーさんの方が合理的で正しいのです。なのに、あろう事か、私は助けてもらっている身であるのにかかわらず、ヘルパーさんに腹が立ったのです。正しいから腹がたったのです。自分の今までの掃除の仕方を否定されたような気持ちになったのです。
後から来た人が、自分より正しい方法で、てきぱきと仕事をこなすのを目の当たりにしたら、腹が立ちますよね。
最近の嫁姑というのは、仲がいいそうですが、昔は嫁姑というのは仲が悪いと決まっていました。あの頃の姑の気持ちというのはこういう感じだったんですかね? 嫁の方が新しい教育を受けているから、正しい事が多いのです。悪意がないのも余計に腹が立つ。
私も年をとりました。これからは若い人がどんどん現れて、私より新しい、正しいやり方で、私がヒイヒイ言いながらやっていたことを、やすやすとこなしていくんでしょうね。
キー! 腹が立つ。
イラスト by ケイーゴ・K