ブログというか、まぁ思いついたものを書いています。 ショートアニメを作っています。元舞台役者です。
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
私の愛妻の妹はイギリス男性と結婚していてイギリス在住。だから私の義弟はイギリス紳士なのです。
結婚後間もなく、義父母、義弟夫婦、私達夫婦で、愛妻方の親戚が多く住む九州旅行へ行きました。九州各地に住む親戚を訪ねて回ったのです。母にはショーステイに入ってもらい、私は一時的に介護から解放されました。私にとっては、初めての九州で、楽しくって仕方がない旅行でした。しかし、何故だか義弟が落ち込んでいました。疲れているのだろうか? 時差ボケだろうか? あるいは日本が嫌いになったのだろうか? と心配していました。でも、そういうことではなかったのです。
義弟は日本大好きで、語学学校で毎週日本語の勉強を続けてきたのです! しかし! いざ日本に来てみると周りの人が喋っている日本語が何も理解できない! 必死に勉強したのに全然役に立たない! と落ち込んでいたらしいのです。
それは、義弟が勉強を怠けていたからではありません。
語学学校が間違った教え方をしていたわけでもありません。
実は、私だって、その場の会話の半分くらいしか分からなかったのです。
海外では、ほとんどの場合、日本の標準語しか教えません。私も日頃は標準語を使っていますが、親戚や幼なじみと話していると、名古屋弁が激しく出ます。九州で親戚が集まっているのです。親戚同士というのは、お互いによく分かっているので、説明なしで最小限の単語で会話します。しかも方言が強くなります。分かるはずがないのです。
役者は基礎段階で方言を抜く訓練をします。その上で、方言で喋る役をもらえば、その方言を勉強します。しかし、方言の習得は難しいです。方言指導の方によほど丁寧に指導してもらわないと、土地の人にはバレてしまいます。究極的には、その土地で長期間生活しないと習得できないと私は思っています。私は大阪に六年住みましたが、土地の人には「何ですか? そのパチ臭い関西弁は!」と突っ込まれたことが何度もあります。
方言は語学の最後の難関。
日本語初心者である義弟が、いきなり最後の難関に挑んだのです。しかし、その経験は宝の山かも知れません。次に義弟に会うとき、恐るべき上達をしているかも知れません。
English
イラスト by フライニャン
私はどちらかというと「出たきり」で、芝居をやっていた頃は家には寝に帰るだけでした。人とワイワイ、ガヤガヤするのが好きです。
認知症の母の介護が本格的になると、ずっと家で母を見張っているという生活になりました。強制的に引きこもりのような生活をすることになりました。
それが、慣れてみると、思いの外、心地いいのです。本を読んだり、ゲームをしたり、家でできることは案外多いです。不本意で、深刻なひきこもりで毎日苦しい思いをされている方もいるでしょうが、引きこもりの生活そのものは、それはそれでおもしろさがあるようにも思えます。
世の中には「引きこもりタイプ」という人がいるんじゃないでしょうか? 人前に出るのが苦手で、じっくり物に向き合うのが好きという人もいるはずです。
古代ローマの第二代皇帝ティベリウス。どうもこの人は「引きこもりタイプ」だったらしいですね。次期皇帝として皇帝の補佐をしなくてはならない時期、この人はロードス島という島に引きこもってしまいました。皇帝に即位した後も、カプリ島という島に引きこもってしまいました。引きこもりといっても仲のいい友人達と小さな島で暮らしていたという感じです(「ローマ人の物語Ⅵ-パクス・ロマーナ-」塩野七生著、2014年、㈱新潮社)。
昔も今も、ひきこもりの評判は悪いです。ティベリウスは当時も、それ以降数世紀間、暗君だと思われていました。
17世紀末頃からこの人に対する評価が変わってきました。実は名君だったのではないかと。
この人は全ての責任を放り出して、引きこもっていたわけではないのです。ローマ全土から情報が自分の所に集まるように手配して、自分の指令が隅々まで届くようにしていました。情報の行き来さえできていれば、どこにいたってかまわないのです。人気取りの政策は一切しない人でしたが、災害などがあったときには迅速に決断し、適切に対応していたらしいです。
暗君の汚名を着たまま1700年。真の名君とはそういう人かも知れませんね。
今は家にいたまま、色々なことが出来る時代です。現在、周囲からひんしゅくをかっている引きこもりですが、1700年後、人類を救うような偉大な功績を成していた人がいたことが、誰かに発見されるかも知れませんね。
English
イラスト by vectorpocket
結婚前は病的にやせていた愛妻ですが、結婚後ふくよかになりました。私も太りました。幸せ太りですね。介護のストレス太りかも知れません。
「こんな事ではいけない!」と愛妻はランニングを始めることにしました。
愛妻は形から入りました。本格的なランニングウェアにシューズにグローブ、そして高価なランニングウォッチを購入。上から下までバッチリ決めました。
我が家の近所には一周すると4㎞にもなる巨大な公園があります。その公園へ向かう途中、愛妻は一人の見知らぬ男性に声をかけられたそうです。
私も知りませんでしたが、その公園では年に一回、地元の学区対抗の駅伝大会があるのです。その男性はこの学区チームのマネージャーでした。なんと! 愛妻はその駅伝大会の選手にスカウトされたのです。ランニングウェアが決まっていたから、上級者だと思われたのですね。
愛妻は喜んでチームに参加することにしました。
最初の練習の日、集まったチームメンバーにコーチがこう言いました。
「じゃぁ、今日は軽めにして6㎞走りましょう」
愛妻はそれまで最長でも3㎞しか走ったことがなかったのに!
ウェアは上級者向けでしたが、中身は初心者です。大恥をかいたそうです。
しかし、それが良かったのです。
休みの日に集まって、賞金も出ない駅伝大会の練習をしようだなんて人たちは、学生の頃から陸上をやっているとかの筋金入りの上級者達ばかりです。例外もあるかも知れませんが、どの世界でも本当の上級者というのは初心者に対して優しいものです。知識や経験も豊富で、アドバイスも適切です。愛妻は見る見る上達しました。
その駅伝大会の代表には、まだ選ばれたことはありませんが、その年の名古屋ウィメンズマラソンに参加し、人生初フルマラソン、初完走を果たしました。初心者が四十二・一九五㎞を走りきるなんて、なかなかないことです。完走者にのみ配られるブランドのアクセサリーを手に入れて喜んでいましたよ。一人で黙々と練習していたとしたら、そうはならなかったでしょう。
形から入る人をバカにする人もいるかも知れませんが、いいこともあるかも知れません。周囲に「私はこれをやるんだ!」とアピールすれば、協力者が協力しやすいですからね。
私も次に何かを始めるときは、形から入ってみようと思います。
English
イラスト by sh204
前回の予言者の会では、直木賞作家を予言しました。見事、赤い彗星のシュウの予言通り、大島真寿美先輩が「渦 妹背山婦女庭訓魂結び」にて受賞しました。先輩! おめでとうございます! 赤い彗星のシュウには予言者の称号が贈られます。
さて、ついに夏本番! 夏といえば甲子園! 明日開幕! 我々予言者の会は甲子園の優勝地区を予言します。優勝するのはどの地区の高校か!
以下、予言的中回数の多い順。
まくどがる(予言的中回数6回)
甲子園は近畿。
アル中キミちゃん(予言的中回数5回)
甲子園は鳥取推しで中国地方で!
赤い彗星のシュウ予言者(予言的中回数5回)
甲子園は地元東海地区!
もう少しやせたい直樹(予言的中回数1回)
夏の甲子園優勝は九州地区で。
もちろん、我々は全ての若者の夏の青春を応援しています。なお、これはあくまでも予言であり、賭け事ではありません。予言を的中させても、得られるのは「予言者」の称号のみ! さらに、我々はどの代表校からも贈与饗応を受けておりません。
次の予言者はキミだ!
イラスト by gogondayo
先日、高校生の時、片思いで好きだった女性がSNSをやっているのを見つけました。彼女は遠くの町で、仕事に、趣味に、ボランティアにと充実した毎日を送っているようです。
一度でも好きだった人というのは、一生、心の中の特等席に座っています。彼女のSMSの更新をいつも楽しみにしています。
ところが、ある日の彼女の投稿に、「老眼鏡を買った」というのがありました。年齢から考えて、老眼が始まっても何の不思議もないのですが、いつまでも高校生のような気持ちで、彼女のSNSを見ていたのでショックでした。
私は中国語を勉強しています。中国語で老眼は「老花(laohua:ラオホア)」というそうです。彼女は老眼になったのではありません。老花になったのです。自分にそう言い聞かせています。
「老眼のことを老花というなんて、中国人の発想はきれいですね」という話を中国語の先生に話したら、キョトンという顔をされました。
「老花にきれいな意味はありませんよ」
まぁ、日常生活で使っていれば、そうですよね。
大叔母はトイレに行くとき「ちょっと、お花を摘みにいってくる」と言っていました。私は大叔母がきれいな所に行くわけじゃないし、きれいなことをするわけじゃないことを知っていましたが、そう言うのはシャレていますね。
私達は老眼になるのではありません。老花になるのです。
イラスト by tama