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三浦 周二朗ブログ

 ブログというか、まぁ思いついたものを書いています。 ショートアニメを作っています。元舞台役者です。

老花

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老花

 

 

 先日、高校生の時、片思いで好きだった女性がSNSをやっているのを見つけました。彼女は遠くの町で、仕事に、趣味に、ボランティアにと充実した毎日を送っているようです。

 一度でも好きだった人というのは、一生、心の中の特等席に座っています。彼女のSMSの更新をいつも楽しみにしています。

 ところが、ある日の彼女の投稿に、「老眼鏡を買った」というのがありました。年齢から考えて、老眼が始まっても何の不思議もないのですが、いつまでも高校生のような気持ちで、彼女のSNSを見ていたのでショックでした。

 私は中国語を勉強しています。中国語で老眼は「老花(laohua:ラオホア)」というそうです。彼女は老眼になったのではありません。老花になったのです。自分にそう言い聞かせています。

 「老眼のことを老花というなんて、中国人の発想はきれいですね」という話を中国語の先生に話したら、キョトンという顔をされました。

「老花にきれいな意味はありませんよ」

まぁ、日常生活で使っていれば、そうですよね。

 大叔母はトイレに行くとき「ちょっと、お花を摘みにいってくる」と言っていました。私は大叔母がきれいな所に行くわけじゃないし、きれいなことをするわけじゃないことを知っていましたが、そう言うのはシャレていますね。

私達は老眼になるのではありません。老花になるのです。

イラスト by tama

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三浦 周二朗
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