ブログというか、まぁ思いついたものを書いています。 ショートアニメを作っています。元舞台役者です。
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私の母方の祖母は中日文化センターでマナー教室の先生をしていました。私が生まれる前のことです。ですが、同居していた私には色々うるさいことは言いませんでした。ですから、私は世の中に出てから、自分があまりにも礼儀作法を知らない事を思い知らされる場面が多かったです。むしろ、なぜ教えてくれなかったと恨むくらいでした。
平成時代のある日、近所でお通夜がありました。喪服を引っ張り出している父母に祖母は言いました。
「通夜は平服で行くのが普通です。通夜に喪服で行くのは『待ち構えていた』感じがしてよくない」
ですから、父母は平服で通夜に行きました。ところが、その通夜に平服できていたのは父母だけだったそうです。
祖母が間違っていたのではありません。祖母は明治生まれ。時代が違うのです。電話もなかったような時代。礼服も貸衣装だったような時代。通夜に喪服が間に合わないのが当たり前だったのでしょう。どのような姿であれ、通夜に駆けつけるということが大切だったのかも知れません。あわてて駆けつけた人に恥をかかせないためのマナーだったのかも知れません。
マナーも年をとります。祖母は自分のマナーが時代遅れであるという事を知っていて、私にはあまり言わなかったのかも知れませんね。自分の世代のマナーを若い世代に押しつけない事こそが、若い世代へのマナーなのかも知れませんね。
イラスト by gg
私は一時期、毎年、秋になると必ず風邪をひいていました。同じ時期に必ずです。あるいは、秋の花粉症なのではないかと検査を受けたこともあります。花粉症ではなく風邪でした。
冷静に自分の行動を思い返してみて、その謎が解けました。私は大きな勘違いをしていたのです。
二十代で一人暮らしを初めて、一番驚いたのは、夏の電気代です。最近のクーラーはエコですが、その頃のクーラーの電気消費量は凶暴でした。節約のため、クーラーは出来るだけ使わないようにしていました。炎天下の日中、寝苦しい夜。暑さをこらえて、生活していました。常にこんな事を考えていました。「ああ、もし、俺がお金持ちだったら、思いっきりクーラーを使って、涼しく生活出来るのに! 金さえあれば!」
そして、暑い盛りを越えて、秋になったとき、私はこんな勘違いをするようになったのです。
「ああ! 涼しい! これは俺が金持ちになったからだ! 家の中も外もクーラーかけ放題なんだ! 金持ちバンザーイ!」
やがて、秋も深まって、肌寒くなってくる頃になっても、私は「金持ち」を楽しんでいたのです。皆がジャケットを羽織るような時期になっても、シャツ一枚ですごして、金持ち気分。
まさにこれこそが、私が秋に風邪をひく理由だったのです!
その答えにたどり着き、早め早めに一枚羽織るようになったら、風邪をひかないようになりました。
みなさん! 秋になって涼しくなるのは、決してお金持ちになったからではありませんよ!
え? ご存じでしたか。そうですか。
English
イラスト by nanami
認知症の母と同居していた頃。朝食の後や、夕方、デイサービスから帰ってきて、ニュースが始まる時間まで、母にはCDで童謡を聴かせていました。昔の童謡ばかり収録しているCDがあるのです。母は、時々、一緒に口ずさんでいました。
一緒に、昔の童謡を聴いていて、疑問に思うことがありました。歌詞に出てくるのは、お母さんばかりなのです。「蛇の目でお迎え」してくれるのもお母さんです。「夜なべして手袋編んでくれた」のもお母さんです。「お肩をたたきましょう」というのもお母さんにです。
これは大変な性差別です。今時は育児に参加する男性も多いはずです。なのに、これというお父さんの歌がないのです。
私の読者にはミュージシャンも多いです。みなさん! これはビジネスチャンスです。子どもが喜んで歌ってくれるような、お父さん童謡の王座が、まだ空席です。いえ、私が知らないだけかも知れませんが・・・
「イクメン」という言葉が流行語に選ばれたのが2010年。そろそろイクメンに育てられた子どもがミュージシャンとして才能を開花させる時期です。みんな! 時間がない! 私のことはいいから! 早くミュージシャンにこのことを伝えて!
イラスト by koti
作家、塩野七生さんの「ローマ人の物語」(新潮文庫)によると、古代ローマ人のインテリは基本的にバイリンガルだったそうです。母国語であるラテン語と、教養として、ギリシャ語を勉強したのだそうです。
母国語じゃない言語を勉強するのは大変ですね。私達も英語でえらい目にあいました。
古代ローマはギリシャを支配していましたので、上流階級の家にはギリシャ人の奴隷がいたそうです。仕事はその家の子どもにギリシャ語を教えること。
このギリシャ人達はどういう感じだったんでしょうね? 仕事は先生。身分は奴隷。主人の子どもに教えるというのは複雑ですよ。
ところで、日本の公立学校の先生の残業は月100時間を越えることも珍しくなく、残業代がちゃんと支払われないことも多いとか。
あ! こんな感じか?
English
イラスト by よぴんこ
私の古い友人が、東京ディズニーシーでライブをやった事があります。応援に名古屋から観に行きました。
観られませんでした。東京の乗り換えの複雑さに迷う内に、ライブの時間に間に合わなかったのです。
でも、せっかくディズニーシーに行ったんですからね。色々乗り物に乗って楽しんでやろうと思いました。
誰と行ったか?
もちろん独りです。当時、独身でした。そして、その頃、私は世情に疎かったので、ディズニーシーがどういう所か知らなかったんですね。いざ行ってみると、周りはカップル、あるいはファミリーばかりで、単独で行動している人は、ほとんどいないんですよ。
乗り物に乗る度に
「何名様ですか?」とクルーのみなさんが笑顔で聞いてくるんですよ。
「独りです!」と答えるしかないのです。乗り物に乗る度に毎回それを聞いてくるんですよ。取り調べですか?
だんだん落ち込んできました。自暴自棄なって、こういうシリーズの旅をしてやろうかと思いました。恋人達の聖地、独り旅。京都の鴨川沿いに独りで座ったり、北海道の旧幸福駅で、独りで切符を買ったり、海外へハートの形の珊瑚礁を独りで観に行ったり、世の中には、そんなところはたくさんあります。
2012年、リベンジを果たしました。私は結婚して、新婚旅行に東京ディズニーランドへ行ったのです。当時、両親の介護が大変でしたので、海外には行けませんでした。しかし、私は、ディズニーにこそ、行きたかったのです。
「何名様ですか?」
「二人です!」
胸を張って答えました。
本物のディズニーファンは、独りでも行くそうです。私は二度と独りでは行きたくないです。
イラスト by KID_A