忍者ブログ

三浦 周二朗ブログ

 ブログというか、まぁ思いついたものを書いています。 ショートアニメを作っています。元舞台役者です。

解錠業者

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

解錠業者


 認知症介護者の間では「ボケはじめが一番辛い」と言われています。母がアルツハイマー型認知症患者となり、私は14年同居介護するという体験をして、この言葉は本当だと感じています。皮肉なことに、むしろ病気が進行するごとに、家族介護者はだんだんと楽になっていくのです。

 母の認知症初期に起こったこの一連の出来事を書こう思ったとき、少し気分が落ち込みました。当時のことは、今、思い出しても辛いのです。

 認知症患者は、初期、とにかく物をなくします。なくして「ない、ない」と大騒ぎをするのです。ほとんど毎日です。この時期にはまだ認知症の診断が下っていなかったりしますから、周囲も一緒になって真面目に探すのです。その時間と労力は膨大な物です。

 なくして困る物はたくさんありますが、困る物の一つのはカギです。

 母は自分の仕事机の引き出しに、通帳などの重要書類をしまっていました。そのカギをなくすのです。私も最初は真面目に一緒に探していました。大体見つけられたのですが、どうしても見つけられず、解錠業者を呼んだことが何度もあります。当時は解錠業者を呼ぶと、二万円ぐらい取られました。大変な出費です。

 しかも解錠業者はカギを開ける瞬間というのを見せてくれないのです。悪用されてはいけませんからね。カギを開ける瞬間になると、業者の人に「席を外してください」と言われて別室へ追い出されるのです。この秘密がわかれば、母がカギをなくしても問題ないのになぁと思っていました。

 これも、通帳と同じ解決法で解決しました。私が合鍵を作っておいて、母がなくす度に、その合鍵を母が隠しそうな所に置いておいて、母自身に見つけさせるのです。こんな小芝居が必要なのは、私が疑われないようにするためです。

 特殊なカギはそうもいきませんが、普通のカギなら、スペアキーは安く作れます。私はその引き出しのカギのスペアーを十本くらい作りました。

 最近になって解錠業者の事をネットで調べたら、4000円くらいの業者もありました。カギをなくしても安心ですね。

English
イラスト
by drawlab19

PR

コメント

プロフィール

HN:
三浦 周二朗
性別:
非公開

P R