ブログというか、まぁ思いついたものを書いています。 ショートアニメを作っています。元舞台役者です。
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母に認知症の症状が出始めてから、正式に専門医にアルツハイマー病と診断を受けるまで2~3年ほどかかっています。この時期が一番つらかったです。母は仕事をしていたので、同僚達が「おかしい」と病院に連れて行くのですが、そう簡単にアルツハイマー病の診断はおりないのです。私も付き添い、何人もの医師に検査を受けました。
ほとんどの医者が使う検査が「長谷川スケール」という診断法です。患者にいくつか質問して病気かどうか判断するのですが、中にこんな質問があります。
「『桜、猫、電車』という単語を覚えてください。後で聞きますので、答えてくださいね」
そして他の質問をいくつかして
「さっきの3つの単語思い出してください」
と言うのです。アルツハイマー病の人は思い出せないことがあるのです。
でも母は当時、初期だったので、答えられたのです。そして、どの医者も同じ事をやります。「桜、猫、電車」同じ単語を何度も覚えさせるので、母はすっかり覚えてしまいました。それが診断の遅れた理由の一つかも知れません。
「長谷川式」の原文も読みましたが、長谷川博士はこういう事態を予想してもう1パターン作っています。「梅、犬、自転車」。でもこの「梅、犬、自転車」を使った医者は一人もいませんでした。植物、動物、乗り物の組み合わせですから、「柳、猿、車」でも「ラフレシア、チラノザウルス、セグウェイ」でもいいはずです。沢山の医者に会いましたが、誰一人こういう応用ワザを使った人はいません。
診断が遅れたのを恨んでいるわけではありませんが、医者というのは意外と想像力のない人ばかりなのかも知れません。
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イラスト by piangtawan