ブログというか、まぁ思いついたものを書いています。 ショートアニメを作っています。元舞台役者です。
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アメリカ留学中、私の住んでいたアパートの隣の建物で大事件が起きました。
銃を持った男が立てこもったのです。
周囲はパトカーが取り巻き、通行が規制され、テレビ局も来て大騒ぎでした。
結局、銃声が響くことはなく、事態は収拾したようです。
私は夕方のニュースを楽しみにしていました。現場は隣のビルですが、詳細はわからなかったのです。自分の住んでいる地域がテレビに映し出されたら、何かドキドキしますね。
ところが、実際の地方局のニュースで、この事件が取り上げられたのは、ほんの数十秒でした。現場からの映像もなし。他の場所で起こった別の立てこもり事件と2つ合わせて、報道され、さらりと終わってしまいました。
日本でこんな事件が起こったら、全国ニュースですよ。レポーターが現場に来ますよ。ヘリコプターも飛びますよ。
銃を持った人が立てこもったとしても、たいしたニュースにならないのです。私のクラスメイトにも、銃を持った人がいました。銃が簡単に手に入る社会で、銃を持って立てこもっても、よくあることなんですね。
アメリカの生活は日頃、日本と変わらないように感じましたが、この時は銃社会の闇の深さを感じました。
大阪に住んでいた頃、師事していた先生に、なんでアメリカから銃がなくならないのか聞いたら、先生はこう答えました。
「日本では通報すれば、数分で警察官が駆けつけてくれる。アメリカでは2時間かかることもある」
簡単な話ではありませんね。
イラスト by isaxar
私と愛妻の新婚旅行は東京ディズニーランドでした。バブル世代である私の周囲の人と比べると、ものすごく近場です。しかし、その時期は我が家の介護が本当に過酷で、とても遠い海外になど行ける状況ではなかったのです。電話一本ですぐに帰宅できる国内にしか行けませんでした。
その後も、母と同居している間は、ほんの一泊旅行でも、段取りが色々大変でした。
現在、母には近所の施設に入ってもらっています。
さぁ! 失われた新婚旅行を取り戻すべく、海外へ!
実は、まだ行っていません。
二人で国内のテーマパークに行っています。愛妻はテーマパークが大好きなのです。
私は結婚するまで、テーマパークに興味がなかったので知りませんでしたが、パークの中では仮装しているお客さんも結構多いんですね。
郷に入っては郷に従え。私も先日、ちょっと可愛い帽子をかぶって行きました。スタジオジブリの「魔女の宅急便」に登場する黒猫のジジが描かれた野球帽です。
パーク内のレストランで食事をしようとしました。入り口に若い店員さんが二人いました。一人が私の帽子に気づいて、もう一人の店員さんにこう言いました。
「見て! 見て! この人ジジだよ!」
するともう一人の店員さんは驚いたような顔をして、弱い声でツッコミました。
「誰がジジだ」
この会話の意味が分からなくて、レストランの中で、ずっと食事しながら考えていました。そして衝撃の結論に至ったのです。
あのもう一人の店員さんは「魔女の宅急便」を見ていなかったのですね。もう古い作品です。だから私の帽子がジジだと分からなかったのです。そして勘違いをしたのです。あの会話はこういう事だったのです。
「見て! 見て! この人ジジイだよ!」
「(お客様に向かってジジイってあんた!)誰がジジイだ」
二人に悪意はありません。私の容姿にジジイの要素がなければ、そもそもそんな勘違いは起きなかったのです。
魔女の宅急便は英語圏でも公開され、英語版のジジの声の吹き替えをしているのはフィル・ハートマンというコメディアンです。日本ではあまり知られていませんが、「千の顔と千の声を持つ」といわれる名優です。日本語版ではジジは少年のような声ですが、英語版ではオッサンの声なのです。
一九九八年のアメリカ留学中、テレビでフィルの演技を見て度肝を抜かれました。当時、深夜にフィルのコメディードラマが放送されていたのです。留学期間が終わるとき、「一目フィルに会いたい」「出来ることならフィルの弟子になりたい」と思い、本気でフィルのことを調べました。調べてびっくりしました。フィルはすでに死んでいたんですね。私が毎晩見て、大笑いしていたドラマは再放送だったのです。
「魔女の宅急便」のジジの吹き替えはフィルの生涯最後の役になりました。収録の直後、フィルは謎の死を遂げています。フィル、四十九才のことです。
この文章を書いている今、私はちょうどフィルが死んだ年と同じ年齢です。来週には、私はフィルよりも年上になっているはずです。あこがれの人の年齢を追い越すのは複雑な気持ちですね。
私がフィルの事を知ったのは二十代の時。その時、私はフィルの映像を見てジジイだと思いました。フィルと同じ年になって、若者からジジイ呼ばわりされるのは、フィルに対してフェアです。
フィルの生きることの出来なかった年齢を、大切に生きていきます。
English
イラスト by FUTO
1998年、私はカルフォルニアに留学していました。
大学にはカンバセーション・パートナーというシステムがありました。留学生達はそれぞれの国の言葉を勉強したい地元の学生とペアになり、時々会ってお互いの国の言葉を教え合うのです。
私のカンバセーション・パートナーはVさんでした。大変な美女でした。
あるとき、Vさんに結婚式でヴェールガールをするので見に来ないかと誘われました。ヴェールガールとは、花嫁がヴェールを踏まないように、後ろからヴェールの裾を持って、ついていく人のことです。海外で結婚式に出席するなんて、嬉しいですね。奮発してスーツを買って、参列しました。
本格的な教会での結婚式に参列するのは初めてで、色々珍しかったです。
ついに花嫁、花婿の登場。その後ろにヴェールを持ったVさんが・・・2人いました。
びっくりしました。私はVさんが双子だと知らなかったのです。
式後、Vさんにこう話しかけました。
「双子だって知りませんでしたよ」
すると、衝撃的なことに、彼女は否定しました。
「私達は双子ではありませんよ」
「?」
「私達は三つ子です」
彼女の他の2人の姉妹を紹介してもらいました。
2回びっくりしました。
English
イラスト by きんとも
1998年、私はサンフランシスコに留学していました。私は英語を勉強すれば、アメリカのコメディードラマのような愉快な日々や、必ずハッピーエンドになるハリウッド映画のような生活が送れると思っていましたが、誤解でした。そこには普通の人間の生活があるのです。当たり前ですね。
ある日、人間関係で落ち込むことがあってトボトボ歩いておりました。ジャパンタウンへ行って日本食を食べて元気を出そうかとも思いましたが、それも意気地がないような気がしました。
あてどなく歩いていたら、1人のホームレスの方とすれ違いました。その人は振り返って、後ろから大きな声で私に声をかけました。
「It’ OK! It’s OK! It’s nothing!」
私が、今にも泣きそうな顔でいたので励ましてくれたんですね。「OK! 何でもないことだよ!」って。
私はホームレスの方は仕事のない人だと思っていましたが、ああして落ち込んでいる人を見つけて、励ますのが仕事なのかも知れませんね。
イラスト by バドインターナショナル