ブログというか、まぁ思いついたものを書いています。 ショートアニメを作っています。元舞台役者です。
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最近、古代ローマに関する本を読んでいます。(「ローマ人の物語Ⅳ-ユリウス・カエサル ルビコン以前-」塩野七生著 2014年 ㈱新潮社)
ユリウス・カエサル=ジュリアス・シーザーといえば古代ローマの軍人・政治家ですが、作家としても目覚ましい業績を残しています。シーザー自身が書いた「ガリア戦記」「内乱記」は二千年たった今でも文庫本として書店に並んでいます。二千年後も商業的価値を失わない作家など、なかなかいるものではありません。
このシーザー、晩成の人で、軍人・政治家として歴史の表舞台に登場するのは四十代からです。二十代、三十代はプレイボーイとして有名だっただけらしいです。そしてどうやら、舞台の上演台本を書いていたらしいです。演劇人?
「ブルータス! お前もか!」
と55歳で暗殺された直後はシーザーが恋人にあてた手紙や、執筆した台本も残っていて、出版されていたらしいのですが、軍人・政治家として活躍しすぎました。
シーザーの後継者、初代ローマ皇帝アウグストゥスはシーザーの業績があまりに偉大だったので、シーザーを正式に神格化しました。当時多神教だったローマの神々の一柱にしてしまったのです。そして、神格化にふさわしくない軟弱なラブレターや台本は禁書となりました。運悪くアウグストゥスは長生き、長期安定政権、その後の皇帝達にもその方針は引き継がれてしまい、あわれシーザーの台本は現代まで伝わっていません。
もしかしたら、シーザーより1600年ほど若いシェークスピアの「ジュリアス・シーザー」よりも面白かったかもしれませんよ。読んでみたかった、上演してみたかったですね。
業績が偉大すぎるのも気の毒です。
親愛なる演劇人の皆様! 芝居をやめても軍人や政治家になってはいけませんよ。もちろんジュリアス・シーザーくらいの業績を残してしまいますから、演劇人時代の業績を抹殺されてしまうかもしれませんよ。
イラスト by Ceakus
英語
http://shujiromiura.blogspot.jp/