ブログというか、まぁ思いついたものを書いています。 ショートアニメを作っています。元舞台役者です。
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学生の時、ショッピングセンターの改装のバイトをした事があります。日給8000円ぐらいだったでしょうか?
あるとき、大変なことが起こりました。誰かが、養生テープを貼らなくてはならないところに、剥がれにくい特殊なテープを貼ってしまったのです。誰のミスか知りませんが、きっと働き者だったのでしょう。大量に貼られてしまいました。剥がそうと思っても、簡単には剥がれません。引っ張ってもボロボロと破れてしまうだけです。金具でごしごし削って、やっと剥がれるのです。
社員もバイトも全員でそのテープ剥がしをやりました。改装のためにそのショッピングセンターは一日休業でしたが、明日の朝には開店しなくてはなりません。
定時になったので帰ろうとしたら、社員さんに頼まれました。
「時給1500円出すから残ってくれ」
実は、私はその前日に徹夜をしていました。もう帰って寝たかったのですが、時給1500円の魅力には勝てません。残りました。
深夜1時を過ぎました。流石にふらふらになったので、帰ろうとしたら、社員の方が言いました。
「時給2000円、いや3000円出すから朝までいてくれ!」
でも眠い。健康第一です。魅力的な提案に、背を向けて、振り切るように駐車場に向かいました。そのショッピングセンターにはバイクで来ていたのです。
バイクに乗り、エンジンをかけて、出口に向かって、はじめて気付いたのです。深夜ですから、駐車場の出口にチェーンがかけられていて、バイクでは出られないのです。
チェーンの高さは膝ぐらい。当時の私の愛車は世界の名車スーパ・カブでした。郵便局員が乗っている原付です。がんばれば、持ち上げて、出られるような気がしました。しかし、バイクというのは、実際に持ち上げてみると重い。何度も挑戦しましたが、なかなか出られません。深夜ですから、電車も動いていません。バイクがなければ帰れません。今更、戻って、時給3000円をもらって働くのもシャクです。結果として私は、時給3000円の床をこするだけの軽労働を断って、時給0円のバイクを持ち上げる重労働をしていたのです。何時間もがんばっていたら、外からトラックが来ました。朝の仕入れの時間になったのです。朝! トラックの運転手が、チェーンを外してくれました。何のことだ!
今から思い返すと、時給3000円もおしいけど、二日間徹夜しているのにバイクを持ち上げようと考える若さがおしいです。もう二日間徹夜とか、そもそもムリです。バイクを持ち上げよういう気力もない。
過去の若くてバカな自分から、若さを借りられない物かなぁ。
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イラスト by tele52