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三浦 周二朗ブログ

 ブログというか、まぁ思いついたものを書いています。 ショートアニメを作っています。元舞台役者です。

母と携帯電話

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母と携帯電話

 

 母は認知症になって携帯電話の使い方がわからなくなりました。

しかし、認知症の診断がおりて5年後ぐらいのこと、私は母に再び携帯電話を持たせることを決意しました。徘徊して行方不明にならないためです。

母は若い頃からの習慣で、お気に入りのカバンを持たないと外出しませんでした。このカバンに携帯電話を結びつけておけば携帯を持たせられると判断したのです。電話の数字などのボタンを全てガムテープで隠し。短縮ボタンに私の名前をマジックで書いて、押せるボタンを少なくして、持たせたのです。毎日訓練をしました。

「周二朗に電話してください」

と声をかけて、電話を持たせ、そのボタンを押させる訓練です。そのボタンさえ押せば私に電話がかけられるのです。

 電話を受ける訓練もしました。私が物影から電話して、受ける訓練です。

 認知症患者は新しいことを覚えるのが難しいと言われていますが、毎日の訓練の甲斐あって、母は、私への電話が出来るようになりました。これで、外で何かあっても、私に連絡が取れます。

 結論からいうと、この一連の努力は全て無駄に終わりました。母が1人外出先にいるときにその携帯から私に電話があることはありませんでした。私もかけることがありませんでした。ヘルパーさんやデイサービスの方や、父、愛妻、本人、そして、運のおかげで、そういう状況が起こらなかったのです。

 発明を思いつきました。認知症患者が電話で話す必要のある相手は少ないです。認知症の方専用の、ボタンが3つくらいしかない、そのボタンに名前と顔写真のある携帯電話を発売したらどうでしょう? 患者も介護者もすごく助かるんじゃないかなぁ。

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イラスト
by プリン

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プロフィール

HN:
三浦 周二朗
性別:
非公開

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