ブログというか、まぁ思いついたものを書いています。 ショートアニメを作っています。元舞台役者です。
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高校2年生の時、私は演劇部で、部の卒業生達とソフトボール大会をしました。
今から思えば、いいアイディアでしたね。演劇ついて論じ合う催しとかだったら、上下関係とか色々あって、気を使います。球技で親睦を深めた方がいいですね。在校生チームと卒業生チームに分かれての試合でした。
在校生チームの先攻。一回の攻撃。1番2番打者は三振アウト。三番打者は1年生。しかし、彼はただの1年生ではありませんでした。極真(きょくしん)空手の有段者だったのです。
極真空手は最も実践的と噂される流派です。寸止めなし。最強とも言われています。その有段者の彼が、なぜ演劇部に入っていたのか不思議ですね。
有段者は初球を、楽々、ジャストミート。三遊間の深いところを抜けました。有段者にとって、ソフトボールを打つことなど造作もないことです。
ところが、有段者は打った後、バッターボックスに立ったまま、ベンチにいる私達に笑いかけていました。
何をやっているんだこの人は? あ! この人、野球を知らないんだ。打ったら、ベースに向かって走らないといけないんだよ!
私達はベンチで叫びました「走れ! 走れ! 走れ!」
彼もやっと、打ち返すだけで終わりじゃないことに気がついて、走り出しました。反対側へ! 直接、三塁ベースに向かって!
流石、極真空手。最小の動きで最大の効果を狙ったのです。まさか、いきなり、時計回りで三塁を狙うとは!
有段者はクリーンヒットを放ちながら、あえなくアウト。
後で話を聞いてみたら、野球で遊んだこともなければ、テレビで見たこともなかったそうです。それくらいじゃないと高校生で、有段者にはなれませんね。
やはり、極真空手は最強なのです。
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イラスト by SantaPa