ブログというか、まぁ思いついたものを書いています。 ショートアニメを作っています。元舞台役者です。
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大学生の時、私はほとんど大学には行かないで芝居ばかりやっていました。
ある夕方、地下鉄の駅で偶然、以前、芝居で知り合った若い女性と鉢合わせました。大変な美人です。偶然の再会に、駅のホームでおしゃべりが盛り上がりました。間もなく電車が来るという頃、彼女は私に聞こえるくらいの声で独り言を言いました。
「ああ、お腹空いた」
時間はまさにディナータイム。素晴らしい展開ですね。ここで私がスマートに食事に誘っていれば、別の人生があったかも知れません。
「ああ! サンドイッチあるよ」
あろう事か! 私はお昼に食べ残したサンドイッチをリュックから出して、彼女に差し出したのです。彼女大爆笑でした。
当時の私はこの大爆笑の意味が分かりませんでした。
(楽しみにとっておいたサンドイッチをあげようというのに、何を笑っているのだ?)
彼女は大人で、私の差し出したサンドイッチをニコニコ食べてくれましたよ。あのときもう少し賢かったら! でも、ダメなのです。私は大変な貧乏だったのです。当時、多分財布をひっくり返しても、千円も持っていなかったのです。彼女のサインに気づいていたとしても、とても彼女を食事に誘えませんでした。
青春は失敗だらけですね。
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イラスト by takagix