ブログというか、まぁ思いついたものを書いています。 ショートアニメを作っています。元舞台役者です。
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名古屋市には各地に市営屋内温水プールがあります。運動のために通っていたことがあります。
市内すべてのプールがそうなのではありませんが、私の通っていたプールには、ラジオ体操の時間がありました。一時間に一度です。ラジオ体操の時間は利用者全員がプールから出なくてはいけませんでした。スピーカーから音声が流れて、監視員さんがラジオ体操をして、運動を促すのです。お子様たちなどは一緒に体操します。素直ですね。大人はベンチに座って、休んだりしていました。私もベンチに座っている派です。いい年をしてラジオ体操でもありません。
しかし、そうもいってられない事態になったのです。
市営プールは夜八時半まで営業しています。私は夜行くことが多くなりました。真冬の夜。いくら温水とはいえ、プールで泳ぐ人は少ないです。下手をすると、監視員さんと二人っきりになることがあるのです。
二人っきりでも、監視員さんは、ラジオ体操の時間になると、ラジオ体操を始めるのです。いつもなら、知らん顔をしてベンチに座っているのですが、二人っきりなのに知らん顔をしているのは感じが悪いです。
仕方ないので、利用者の人数が少ない時は私もラジオ体操をすることにしていました。
ある日、ラジオ体操の時間になりました。私は我慢できず、トイレに行きました。トイレから帰ってきて、びっくりしました。ラジオ体操の音声が鳴っているのに、監視員さんがベンチに座って休んでいたのです。トイレから帰った私の姿を見た監視員さんは、慌てて立ち上がり、ラジオ体操を始めました。私はもう家に帰ったのだと思ったのですね。
私は監視員さんを気にしてラジオ体操をして、監視員さんは私を気にしてラジオ体操。
なんだこの小芝居。
English
イラスト by nora
「バカは風邪ひかない」というのは、風邪をひいた人を慰める言葉としても使えますね。
しかし、最近、私はこの言葉を真剣に考えるようになったのです。利口な人は風邪をひきやすいのではないかと疑い始めました。
バカな人は難しいことは考えませんので、いつも体の欲求を素直にきいています。暑いのか、寒いのか、お腹がすいたのか、疲れているのか、眠いのか。そういう体の声を聞くことは、風邪をひかないためには必要な能力です。
利口な人はいろいろ考えます。迷惑をかける、嫌われる、叱られる、負ける、損をする、バカだと思われる。ついつい計算をして無理をしてしまいます。
バカな人は、たとえ、「この仕事を今夜中に仕上げないと、人類が滅びる」という状況になっても、眠くなったら寝るのです。眠いからです。難しいことはわからないからです。
この姿勢こそ、我々が学ばなければならない「バカさ」ではないでしょうか? 実際に人類を滅ぼされてはかないませんが、私たちがいかに深刻に考えている仕事も、体の声を無視してまで続ける必要があるのでしょうか?
風邪をひいている人は利口な人です。いろいろ考えて、無理をして体に負担をかけてしまったのです。いたわってあげましょう。そして、こっそり「もっとバカになれー!」とおまじないをかけてあげましょう。
イラスト by 桐谷とうしろう
English
私は中学生の時、放送部に入っていました。お昼の校内放送をやっていました。昼食の時間に、生徒からの要望や時には自分の趣味で、音楽をかけていました。
一つ、不思議なルールがありました。
「ロック禁止」
です。どんな音楽を流してもいいですが、ロックだけは禁止でした。
顧問の先生に、なぜロックがいけないのか聞きました。すると先生はこう答えました。
「みんなが踊りだしたらどうするんだ!」
最近このエピソードを思い出して笑ってしまいました。私の少し上の世代はロックを聞いたら、どんな状況でも、踊りだしてしまったんですね。私の世代はロックを聞いたからといって、誰も踊りだしたりしませんよ。しらけ世代です。うらやましいです。私にはそれを聞いたら、どんな状況でも踊りだしてしまう音楽なんてありませんよ。
ロック世代がいて、ロックを禁止する校則だけ残ったんですね。
フレディ・マーキュリーは言いました。「ロック・スターではなく、伝説になるんだ。」彼は正しかったのです。彼も、私の先輩たちも、ロック・スターではありません。伝説です。
English
イラスト by studiostoks
高校2年生の時、私は演劇部で、部の卒業生達とソフトボール大会をしました。
今から思えば、いいアイディアでしたね。演劇ついて論じ合う催しとかだったら、上下関係とか色々あって、気を使います。球技で親睦を深めた方がいいですね。在校生チームと卒業生チームに分かれての試合でした。
在校生チームの先攻。一回の攻撃。1番2番打者は三振アウト。三番打者は1年生。しかし、彼はただの1年生ではありませんでした。極真(きょくしん)空手の有段者だったのです。
極真空手は最も実践的と噂される流派です。寸止めなし。最強とも言われています。その有段者の彼が、なぜ演劇部に入っていたのか不思議ですね。
有段者は初球を、楽々、ジャストミート。三遊間の深いところを抜けました。有段者にとって、ソフトボールを打つことなど造作もないことです。
ところが、有段者は打った後、バッターボックスに立ったまま、ベンチにいる私達に笑いかけていました。
何をやっているんだこの人は? あ! この人、野球を知らないんだ。打ったら、ベースに向かって走らないといけないんだよ!
私達はベンチで叫びました「走れ! 走れ! 走れ!」
彼もやっと、打ち返すだけで終わりじゃないことに気がついて、走り出しました。反対側へ! 直接、三塁ベースに向かって!
流石、極真空手。最小の動きで最大の効果を狙ったのです。まさか、いきなり、時計回りで三塁を狙うとは!
有段者はクリーンヒットを放ちながら、あえなくアウト。
後で話を聞いてみたら、野球で遊んだこともなければ、テレビで見たこともなかったそうです。それくらいじゃないと高校生で、有段者にはなれませんね。
やはり、極真空手は最強なのです。
English
イラスト by SantaPa
私は一時期、毎年、秋になると必ず風邪をひいていました。同じ時期に必ずです。あるいは、秋の花粉症なのではないかと検査を受けたこともあります。花粉症ではなく風邪でした。
冷静に自分の行動を思い返してみて、その謎が解けました。私は大きな勘違いをしていたのです。
二十代で一人暮らしを初めて、一番驚いたのは、夏の電気代です。最近のクーラーはエコですが、その頃のクーラーの電気消費量は凶暴でした。節約のため、クーラーは出来るだけ使わないようにしていました。炎天下の日中、寝苦しい夜。暑さをこらえて、生活していました。常にこんな事を考えていました。「ああ、もし、俺がお金持ちだったら、思いっきりクーラーを使って、涼しく生活出来るのに! 金さえあれば!」
そして、暑い盛りを越えて、秋になったとき、私はこんな勘違いをするようになったのです。
「ああ! 涼しい! これは俺が金持ちになったからだ! 家の中も外もクーラーかけ放題なんだ! 金持ちバンザーイ!」
やがて、秋も深まって、肌寒くなってくる頃になっても、私は「金持ち」を楽しんでいたのです。皆がジャケットを羽織るような時期になっても、シャツ一枚ですごして、金持ち気分。
まさにこれこそが、私が秋に風邪をひく理由だったのです!
その答えにたどり着き、早め早めに一枚羽織るようになったら、風邪をひかないようになりました。
みなさん! 秋になって涼しくなるのは、決してお金持ちになったからではありませんよ!
え? ご存じでしたか。そうですか。
English
イラスト by nanami