ブログというか、まぁ思いついたものを書いています。 ショートアニメを作っています。元舞台役者です。
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演劇の上演で、舞台の上で役者が電灯のスイッチを入れると、部屋が明るくなるという場面があるとします。ほとんどの場合、実際に照明のスイッチを入れているのは舞台上の役者ではなく、客席後方のオペレーションルームにいる照明係です。実際に舞台の上にコードを配線して、本物のスイッチを作る事は可能ですが、舞台転換の時などに邪魔になったりします。また、舞台は人や物の出入りが多いですから、何かあって断線したり、コンセントを抜いてしまったりすると芝居が止まってしまい、大惨事です。
これは演劇人にとっては常識で、照明や音響と呼吸を合わせるのも、舞台役者の技術の一つです。
そのはずなんですが、つい最近まで、考えてみれば当然なことなのに、私は気づかないで、だまされていたことがあります。
イルミネーションの点灯式。市長や知事や有名人が舞台の上で大きなスイッチでイルミネーションに点灯します。でも、実際にスイッチを入れているのは権威者でもセレブでもなく、現場の照明係であることもあるのです。
先日、ある町のイルミネーションの点灯式で実際に点灯したのは、照明係である私の愛妻でした。その現場では、スイッチの場所から舞台が見えない構造になっていて、舞台監督の合図でスイッチを入れたそうですが、すごく緊張したそうです。間違えたら、権威者やセレブに恥をかかせてしまいますからね。
愛妻にこの話を聞くまで、私はすっかりイルミネーションの魔法にかかっておりました。舞台上にある巨大なスイッチで、本当に電源を入れているのだと思っていましたよ。本当に配線している場合もあると思います。サンタはいると思います。
世の中、知らない方がいい事もありますね。
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イラスト by makaron*