ブログというか、まぁ思いついたものを書いています。 ショートアニメを作っています。元舞台役者です。
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古代ローマの英雄ジュリアス・シーザーですが、彼は若いころ舞台の台本を書いたりしていたそうです。演劇人?
しかし彼はローマの政治的実権を握ると、演劇人にあるまじきことを決定します。当時の共和制ローマでは政治的リーダーを選挙によって決めていましたが、シーザーは舞台役者の被選挙権を奪ったのです(「ユリウス・カエサル ルビコン以降―ローマ人の物語Ⅴ」 2014年 塩野七生 ㈱新潮社)。
現代の私たちにはピンとこない話ですが、こう考えると思い当たる節があります。
今でこそ演劇というと芸術、あるいは変わり者の趣味ですが、インターネットもテレビも映画もラジオもなかった時代。印刷技術も識字率も高くなかった古代社会において、舞台演劇は最強の「メディア」だったのではないでしょうか? その社会的影響は現代の私たちからは想像もできないくらいのものだったのではないでしょうか?
つまり、舞台役者はメディアの人気者だったのです。ジュリアス・シーザーはメディアの人気者が選挙に出馬して政治に関与することを禁じたのです。あるいは演劇人だからこその判断だったかもしれません。
もちろん現代では職業によって被選挙権を奪われることはありません。近代史を振り返ると、様々なメディアの人気者が政治家になっています。いいか悪いかは知りません。
あるいは、今、私たちは、古代の英雄から挑戦を受けているのかもしれませんね。
ジュアス・シーザーが正しいか? 私たちが正しいか?
https://shujiromiura.blogspot.jp/
写真 by UMC