ブログというか、まぁ思いついたものを書いています。 ショートアニメを作っています。元舞台役者です。
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私はこの法則に自力で気づきました。認知症患者の立場になればわかることです。認知症患者はどうしても周囲の人を腹立たせることをしてしまいます。忘れるという事は大変失礼なことですから。しかし患者本人は自分が人を怒らせるようなことをしたという記憶がありません。認知症患者から言わせると「突然周囲の人が理由もなく怒鳴ったり殴ったりしてくる」という状況になるのです。身近な人ほど激しく怒鳴ったり、殴ったりしてくるのです。地獄です。記憶は残りませんが、怒鳴られたり殴られたりした怒りや恐怖の感情は残りますので、自分の身を守るため、認知症患者も怒鳴ったり殴ったりしてしまうわけです。
しかし、私はこの法則を声高に主張するつもりがないのです。認知症患者には個性があって、元々よく怒鳴る人、よく殴る人は認知症になってもよく怒鳴るし、よく殴るでしょう。また脳の萎縮の進み方も人によって違いますので、周囲がどんなに優しく接しても、怒鳴ったり殴ったりする人はいるはずです。
さらに、その法則が正しかったとしても、認知症患者と長時間接していて、一度も腹を立てないということは不可能に近い事です。積極的に介護に参加して、長時間患者と過ごした人ほど怒鳴ったり殴ったりしたい衝動に駆られる瞬間があるのは当たり前なのです。自分の生活を犠牲にして、必死に介護している人に向かって「この認知症患者の態度が悪いのは、お前達の介護の仕方が悪いからだ!」とは、私はとても言えません。
運がよかったのか、私たちの介護がよかったのかは不明ですが、母は穏やかに病気が進んでいます。10年前は怒鳴り合いの毎日でしたが、認知症の診断が下りて以降、私は母を怒鳴ったことも殴ったこともありません。でもそうしたいと思ったことは数え切れないほどありましたし、今でもあります。
私の愛妻は母と同居3年目。先日、愛妻が母と二人きりの時、母がとんでもないことをしようとしたので、思わず愛妻は声を荒げてしまったそうです。初めてのことでした。すると即座に母は怒鳴り返してきたそうです。普段、温厚な母が怒ったので、愛妻びっくりしたそうです。我が家の嫁姑バトルは超短期決戦の引き分けでした。「鏡の法則」は我が家では正しいかも知れません。
理屈は簡単ですが、実践は難しいです。
イラスト by photo2465
英語
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