ブログというか、まぁ思いついたものを書いています。 ショートアニメを作っています。元舞台役者です。
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私の幼なじみに、「ドラえもん」に出てくる「出来杉君」のような人がいます。成績優秀、スポーツ万能、品行方正。小中学校と一緒だったけどイヤな思い出が1つもないし、悪い噂も一度も聞いたことがありません。名門高校、名門大学と進学し、地元優良企業に就職。長い伝統文化に基づく父親の家業も手伝いながら、趣味の声楽の勉強もしています。本当に、けなすところが1つもないんです。
先日、ある催しで、彼の父親と隣の席となり、話す機会がありました。私は彼を知らない人が聞いたら、お世辞にしか聞こえないような言葉を並べて、彼を褒め称えました。
「一体どうしたら、あんな立派な子どもを育てられるのですか?」
お父さんはその質問には答えず、こう答えました。
「おもしろ味がない」
そうか! 子どもの出来がよすぎると、おもしろ味がないのか!
そういえば「ドラえもん」でも、「出来杉君」はあまり冒険に参加しません。あれは「ドラえもん」や「のび太」ができの悪い事をやるから面白いんです。「出来杉君」が一緒だったら、正しい事しかしないのでおもしろ味がありません。
子育てにエンターテーメント性を求めるのなら、むしろできの悪い子どもの方がおもしろ味があるかも知れませんね。
後日、その「出来杉君」本人に彼の父親の言葉を伝えると、
「オヤジ、そんな事言っとった?」
と衝撃を受けていました。
努力していい息子であり続け、立派な大人になったのに、父親から、まさかの「おもしろ味がない」評価。
「ドラえもん」の「出来杉君」も、結局「しずかちゃん」にフラれてしまいます。
出来すぎる人というのは、案外報われないのかも知れません。
イラスト by haru_natsu_kobo