ブログというか、まぁ思いついたものを書いています。 ショートアニメを作っています。元舞台役者です。
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1990年代の初め、大学生だった私は珍しく映像出演のアルバイトをしました。名古屋の私立大学が予算を出し合って、他地域に向けた名古屋のPRビデオを作ったのです。「不思議の国のアリス」をベースに、女子高校生が名古屋を冒険するというプロット。タイトルは確か「アリス・イン・ワンダー名古屋」。私の役どころはアリスを名古屋の名所に案内するチェシャ猫。
大須観音で撮影したとき、ディレクターが言いました。
「大須観音のハトが一斉に飛び立つ映像が欲しい!」
私はハトを一斉に飛び立たせようと色々試しました。大声を出したり、追い回したり。しかしハトたちは迷惑そうに歩いて避けるだけで、一向に飛び立ってくれないのです。大須観音のハトは人に慣れているんですね。
カメラマンが思いつきました。ちょうど下校時間で、学校帰りの小学生が歩いていました。男の子たちに頼んで、ハトを追ってもらったのです。
効果てきめん。あれだけ私が追い回しても飛び立たなかったハトが、男子小学生に追われると、一斉に飛び立ったのです。ディレクターはお望みの絵がとれてご満悦でした。
大須観音のハトは知っているのです。大人につかまっても大したことはないけど、子供に捕まったらとんでもない目に合うと。
まぁ、子供は無茶しますからね。動物のほうは人間の習性をよくご存じなんですね。
物語のアリスは優しい子供ですが、現実の子供はそうとは限りませんからね。
イラスト by osame