ブログというか、まぁ思いついたものを書いています。 ショートアニメを作っています。元舞台役者です。
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「バカは風邪ひかない」というのは、風邪をひいた人を慰める言葉としても使えますね。
しかし、最近、私はこの言葉を真剣に考えるようになったのです。利口な人は風邪をひきやすいのではないかと疑い始めました。
バカな人は難しいことは考えませんので、いつも体の欲求を素直にきいています。暑いのか、寒いのか、お腹がすいたのか、疲れているのか、眠いのか。そういう体の声を聞くことは、風邪をひかないためには必要な能力です。
利口な人はいろいろ考えます。迷惑をかける、嫌われる、叱られる、負ける、損をする、バカだと思われる。ついつい計算をして無理をしてしまいます。
バカな人は、たとえ、「この仕事を今夜中に仕上げないと、人類が滅びる」という状況になっても、眠くなったら寝るのです。眠いからです。難しいことはわからないからです。
この姿勢こそ、我々が学ばなければならない「バカさ」ではないでしょうか? 実際に人類を滅ぼされてはかないませんが、私たちがいかに深刻に考えている仕事も、体の声を無視してまで続ける必要があるのでしょうか?
風邪をひいている人は利口な人です。いろいろ考えて、無理をして体に負担をかけてしまったのです。いたわってあげましょう。そして、こっそり「もっとバカになれー!」とおまじないをかけてあげましょう。
イラスト by 桐谷とうしろう
English
私は物心ついたころから父方の祖母と同居していました。
祖母が他界したのは、私が中学生の時でした。私の父は兄弟姉妹が多かったのですが、祖母の介護をめぐって、不仲になった人もいて、葬儀で初めて会う人もいました。
火葬場の待合室で、父の兄弟は長男を上座に、順に座りました。父は四男です。
私は大変なことを発見したのです。父の兄弟は、父と同じようにハゲていて、順に並ぶと、きれいなグラデーションになっていたのです。並べてみるとよくわかります。「だんだんこうなっていくのか」。父の頭髪の過去と未来を見るようでした。
その時、火葬場のアナウンスがありました。
「臼井家様。臼井家様。ご収骨です」
私は中学生。人が死ぬということがよくわかっていません。このアナウンスがツボにはまりました。(ウチのことかな?)
さすがにもう中学生。火葬場で大爆笑してはいけないことは、わかっておりましたので、必死にこらえておりました。
火葬場から帰って、我が家で精進落とし。台所に集まっていた親戚の女性陣に、この話を披露しました。大爆笑でした。
火葬場から帰った後は、残された人たちが大爆笑できるくらいの長生き人生がいいですね。
ハゲるも、死ぬも、明日は我が身。
イラストby nishiya_hisa
私は中学生の時、放送部に入っていました。お昼の校内放送をやっていました。昼食の時間に、生徒からの要望や時には自分の趣味で、音楽をかけていました。
一つ、不思議なルールがありました。
「ロック禁止」
です。どんな音楽を流してもいいですが、ロックだけは禁止でした。
顧問の先生に、なぜロックがいけないのか聞きました。すると先生はこう答えました。
「みんなが踊りだしたらどうするんだ!」
最近このエピソードを思い出して笑ってしまいました。私の少し上の世代はロックを聞いたら、どんな状況でも、踊りだしてしまったんですね。私の世代はロックを聞いたからといって、誰も踊りだしたりしませんよ。しらけ世代です。うらやましいです。私にはそれを聞いたら、どんな状況でも踊りだしてしまう音楽なんてありませんよ。
ロック世代がいて、ロックを禁止する校則だけ残ったんですね。
フレディ・マーキュリーは言いました。「ロック・スターではなく、伝説になるんだ。」彼は正しかったのです。彼も、私の先輩たちも、ロック・スターではありません。伝説です。
English
イラスト by studiostoks
我が家の玄関の扉を新しくして、大きな問題が起こりました。
父の手の力では玄関のカギが開かないのです。父は長年の人工透析で、指の力が弱くなっていたのです。カギを鍵穴に差し込む事はできるけど、回す力がないのです。玄関の扉もカギも新品。油をさせばどうにかなるという問題ではありません。自力でカギを開けられないのであれば、カギの意味がありません。いや、そもそも扉の意味もありません。
大工さんにも相談しました。「ちょっと考えさせてくれ」と言われましたが、待ちきれませんでした。ネットで見つけた全国チェーンのカギのトラブル業者も相談しましたが「新品を開けられないなら、どうしようもない」と冷たい対応です。
ダメもとで、家の近所のボロボロの小さなカギ屋さんに相談することにしました。高齢の店主が対応してくれましたが、頼りない感じです。ところが店主、「ああ」と言って、足元に転がっていた鉄の廃材を切り、カギの頭の部分に打ち付けて、持つところを大きくしたのです。なるほど。そうすれば、テコの原理で、小さな力でもカギが回るようになるのです。ついに父は玄関のカギを開けられるようになったのです。問題は解決しました。
タッチの差で遅れて、大工さんも同じ発想のカギを持ってきました。しかし、大工さんの加工したほうは、持つところがソフトボール位の大きさでした。それではポケットに入りません。大工さんは日ごろ大きなものを扱っていますから、仕事が大きくなるんですね。
カギはカギ屋ですね。
最近は、こういう小さな商店が減ってしまって、大型店舗になったり、オンラインになったりしています。こういう細かな工夫ができる経験豊かな専門家が身近にいなくなるのは残念ですね。
English
イラスト by patrimonio